「最近、少し暑くなってきたな~」


そう話しながら、冬野は自分の席へと座った。

「確かに、そうだね。」


そして、このあとに『じゃあ、いい?』と言われる。

それに対して、私は『うん!OK!』と答える。


なのに……

「今日は、練習いいや。」

と言われた。

なんで?突然…

「なんか、あったの?」

「今日、告白しようと思って。本当の……」

本当の…告白……


もう来てしまった。

誰なんだろう、やっぱり…私なんかよりも可愛くて器用で、明るい子なのだろう。

そう思う。


「そっか…頑張ってね!応援する!」

心にも思ってないことを、スラスラと口に出せるのはなぜだろう。

悲しい、冬野が他の人に告白することが。

付き合って欲しくない、ふられて欲しい。

そんなことを考えてしまう私は、ひどいのだろうか。

「あぁ、ありがとう。」
その時の冬野の顔は、爽やかな笑顔をしていた。