「かまっちゃんていつも弁当だよねー? おばちゃんマメだなー」
「ハルんとこは?」
「うち? うちは妹が弁当ない日は作ってくれない」
「ふーん。うちはひとりっ子だからなぁ、そういうのはないや」
 そんな話をしているところに携帯が鳴りだした。
 学校にいるときに携帯が鳴るとは珍しい。
 誰からだろう、と思いながらディスプレイを見ると、知らない番号からだった。
「誰?」
 ハルに訊かれ、
「知らない。とりあえず出てみる」
 そんな感じで、「もしもし」と出た。
『御園生です』
「……え?」
 ミソノウ……みそのう……御園生っ!?
「あっ、嘘っっっ、御園生って言った!?」
 びっくりして、ハルの机に置いてあった参考書を落としてしまった。