片恋シリーズ~鎌田公一編~

 御園生はというと、まだその場に倒れたままだった。
「海斗、そんなことをする暇があるなら翠葉を保健室に運んで。私は教室離れられないから残るけど……」
 美人が俺に視線を定めた。
「あなた、申し訳ないのだけど海斗と一緒に保健室へ行ってもらえるかしら? 倒れたときの詳細が必要になると思うの」
「……わかった」
「一緒に来ている人たちには私から伝えておきます」
 カイトと呼ばれた背の高い男子が御園生を抱え上げ、
「悪い、道開けて」
 と歩きだした。
 走りはしない。でも、人ごみの中をでき得る限り早くに切り抜けようとしているのがわかった。
 俺は校内マップを見て保健室の場所を確認すると、
「俺が前歩くよ」
 言って、彼の前へ出た。