片恋シリーズ~鎌田公一編~

「現にそのときも、付き合ってって言ったら『今日だよね?』って、結構見当違いな返事されたし。俺も偶然会えたことに舞い上がってたから、言い方が悪かったっていうのもあるんだけど……」
 少し気まずさを感じながら笑みを添える。
 どうしよう、ここからどんなふうに会話を続けたらいいんだろう。
 頭の中をひっくり返してみるけど、すぐに出てくる話題なんてそうそうなかった。
「さっきは隼人先輩が急に告るからびっくりしたよ……。でも、いい加減な人じゃないし、すごく尊敬できる先輩」
 先輩のことを褒めてどうする……。
 今だろ、今。今メモ用紙を渡せばいい。
 そうは思っているのに、俺の口は違う言葉を紡ぐ。若干早口で、
「それはさておき……高校に入ってから何かあった? 中学の人間にやな思いさせられたとか……」
 御園生の顔を覗き込むと、
「……あのね、インターハイの予選が幸倉運動公園であったでしょう? そのときにね……」
 話の途中で御園生の表情が止まり、ドサ、とその場に倒れた。