どうにも自分では間を持てそうになく隼人先輩を見上げると、
「なぁ、弓道場の見学とかできんの?」
「できる。校内マップは?」
 隼人先輩が校内マップをポケットから取り出すと、
「ここが現在地。そこの階段を下りたら左折。校舎に添って進み、突き当たった道路向こうに弓道場の案内が出ている。あとはそれに従って行けばいい」
「じゃ、お前らちょっと行ってこいよ」
「先輩は?」と思ったけど、にこやかな表情で「行け」と言われたも同然で、俺たちは弓道場へ向かうことにした。

 階段を下りつつ、
「かまっちゃん、ダメダメじゃん」
 ハルにダメだしをされる。
「初対面の隼人先輩に先こされてどうするよ」
 確かに……。