……もしかしたら両親が送迎しているのかもしれない。
 それは割りと簡単にはじき出された答え。
 御園生は、自分で通うことを考えたら光陵しか選択肢がなかったと言っていたのだ。でも、もし人の手を借りることができたらなら? それなら、光陵へ行かずにほかの高校を選択することもできるのではないか。
 とにかく、また振り出しに戻ってしまった。
 そしてまた、先輩に言われるのだ。
「朝がダメなら帰りだっ!」
 と。
 なんて安直な……。
「先輩、午後は午後で午後練があるじゃないですか……」
 さすがに午後練を一週間休むのは自分的に抵抗がある。
「かまっちゃんはその子に会いたいんじゃないの?」
「会いたいです……。でも……」
「『でも』とか『だって』とか言ってたら一生会えないよ。俺からしてみたら全然努力が足りない。会いたければ自宅に行くなり家に電話するなりしてみればいいんだ。そんな初歩的なこともせず駅で待ち伏せとか効率悪いことしてるわけでさ」
 もっともすぎて何も言い返せなかった。