自分だってつい先日までは知らなかったのだ。
 メールが回ってきても半信半疑だった。でも、実際に目にしてしまったら信じるとかそういう問題ではなく事実なわけで……。
「で? なんでこんな落ち込んでんのさ」
 先輩にそもそもの原因を訊かれる。
「昨日、塾に行く前にバッタリ会いまして……」
「ええええっ!? ドキドキバッタリ再会!? で? でっ!?」
 ハルの期待に申し訳ないと思う。
「本当、偶然会ったんだけど……。会っただけで俺舞い上がっちゃって、思い切って付き合ってくださいとか――」
「告白キターーーっっっ!!」
「ハルうるさい、で? かまっちゃんっ」
 食いつき良好なふたりにさらに申し訳なくなる。
「俺の告り方もまずかったんですけど、かなり斜め上を行く返答もらいました……」
 そのときの様子を話すと、
「えっとぉ……確かにかまっちゃんの告り方もあれだけど、一日付き合うって……ギャグか何か?」
 先輩に真顔で訊かれる。