一学期二学期三学期――時間が経つに連れて、彼女を取り巻く噂はエスカレートをしていった。我慢ならなくなって口を挟もうとしたとき、彼女の射るような視線に牽制された。どこまでも表沙汰にされたくはないようだった。
 そんなある日、性教育と称した合同集会が体育館で行われた。
 毎回思う。こんな集会あって意味のないようなものだ、と。
 あまりにも中途半端すぎる性教育なうえに、中学生っていう「性」に興味津々な生徒を御することもできない教師陣がやる「指導」は、茶化され、騒がれ、収拾されないままに終わる。
 話を聞く姿勢の生徒は微々たるもので、騒ぐ生徒をしっかり注意できる教師もいない中、コンドームが配られたらどうなるのかはわかりそうなものだが、それでも行われる。――本当に無意味。
 呆れた思いで、上から目線でそんなふうに思っていた俺はいったい何様だったのかな。