御園生とのメールのやりとりは未だ続いている。
 藤宮くんがかなりヤキモチ妬き屋さんだと言うことを知ったから、もしかしたら続かないかもしれないと思っていた。でも、そんな不安は杞憂で、御園生は変わることなくメールの返事をくれていた。
 恋心と決別できたか、と訊かれたらちょっと怪しい。
 ほかに好きな子でもできれば別なんだろうけれど、うちの学校は男子校。そうそう出逢いなど転がっていないのだ。
 そんなある日、御園生からのメールに「大学に行っても弓道を続けるの?」という質問が書かれていた。
 弓道は好きだけど、サークルに入るかは不明。でも、続けていきたいものではあるかもしれない。
「サークルに入らなくても続けられるか……」
 隼人先輩の家が弓道場なのだ。
 そんなことを考えていれば、弓道部に入るきっかけとなった出来事を思い出す。
 それは入学した日のこと――。