ハルたちが待つ場所へ戻ると、
「どうだった?」
 と、矢継ぎ早に訊かれる。
「告白してきっぱり振られてきた」
「その割には晴れやかな顔しちゃって」
「うん、そうかも。なんかすっきりした。振られたけど友達ではいられるみたいだし」
「えっ……そんな話までしたの?」
「したした。だって、ここで何もかも全部失くすのは嫌だったから。そう思ったのは俺だけじゃなかったみたいで、御園生も同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかったんだ」
「……そっか。じゃぁさ、今年のうちの学園祭呼んだら?」
「あ、それいいね。そうしよう。藤宮くんと一緒においでよって」
「えっ!? 藤宮くんとも仲良くなったの!?」
「まさか。手厳しく追い払われた感満載。でも、藤宮くんみたいな人ってさ、それで終わりじゃ絶対に仲良くなれないだろ? だから、もう少し粘ってみようかなと思う」
「かまっちゃんてさ、見かけによらずガッツあるし、微妙に物好きだよね」
「それはどうかな?」
 ……ただ少しだけ、自分から行動するということを学んだ。
 それを教えてくれたのはこの長い片思いであり、見守っていてくれた隼人先輩だろう。
 まだ、隼人先輩みたいに自分に手繰り寄せるような行動には移せない。でも、いつかはそうできる人になりたいと思う。