片恋シリーズ~鎌田公一編~

『うん、大丈夫。鎌田くんも弓道の試合に出るのね?』
「そうなんだ。地区大会の決勝まで残ることができて……。場所は幸倉運動公園だから」
『うん、応援に行くね。がんばってね』
 そんな話をして切ったけど――。
「……あ、れ? 鎌田くんも?」
 ……それはつまり、俺以外にも試合に出る人がいるってことで――。間違いなく相手は藤宮くんな気がするんだけど……。
 このふたりってどうなってるんだろう……。
 不思議に思いながら、それ以上は考えないことにした。
 御園生が誰を好きでもいい。もう一度自分の気持ちを伝えたい。それが目的――。



 試合当日、俺は早々に敗退してしまった。
 でも、今日はそれだけじゃない。試合のほかにもがんばることがある。
 俺は制服に着替えると、ハルに荷物を預けて藤棚へと向かった。