観覧席でホームルームを終えると、放課後は七時まで組ごとの練習。
 今日の順位に応じて練習場所が割り振られ、赤組は第一小体育館での練習となった。
 最初に組全体での集会があり、そのあとは明日の競技に出るチームに分かれての練習。もちろん、全種目を練習できるわけではないから得点の高い競技が優先される。
 体育館を半分に区切り、最初の一時間は男女に別れて棒倒しとチアリーディングの練習。残りの一時間は個人競技とダンスの練習。
 個人競技は五種目、ダンス部門も三つに分かれる。それがゆえ、最後の一時間はさらに細かく場所や時間が区切られていた。
 ダンス部門は二十分ずつに区切られており、その一番最初がワルツを踊る三組に割り振られている。
 私はチアの練習が終盤に差し掛かる頃からストレッチを始め、最後の五分は体育館を歩いて身体を温めた。
 ウォーミングアップに付き合ってくれたのは香月さん。
「顔、強張ってるわよ?」
 私は苦笑を返し、
「今までワルツを踊るメンバーの前でしか踊ったことがないの。だから、こんなにたくさん人がいるところで踊るのは緊張する」
「ちょっと、そんなことでどうするの? 今はうちの組しかいないけど、明日には全校生徒の前で踊るのよ?」
「……そうだよね」
「人に見られて踊る」という予行演習を前日の今日にできるだけいいと思わなくてはいけない。
 少しでも前向きに考えようと思考の強制シフトを試みていると、チアの練習を終えた桃華さんと静音先輩がやってきた。
 ふたりの表情が硬いことを疑問に思っていると、静音先輩の後ろに知らない女の子がいることに気づく。