光のもとでⅡ

「ごめん、全部私の八つ当たり……。だから、手、離して」
 八つ当たりの意味もよくわからないけど、それより――。
「あのさ……会いたいと思ってなんでここなわけ?」
「……え?」
 不思議そうな顔をするな。今、不可解な疑問に苛まれてるのは俺だ。
「電話かけるなりメールすればいいだろ」
 翠はキッ、と俺を見上げた。
「そこで反抗的な視線返してくるくらいなら、言葉にしてほしいんだけど」
 視線だけで会話ができるのは兄妹間のみと思え。苛立ちが隠せなくなってきていたところ、
「……電話で、なんて言ったらいいの? メールに、何を書けばいいの?」
 心もとなさげに言葉を発する。今、翠は平常運転だろうか……。これで平常運転なのだろうか……。
 ――恐ろしく頭の回転が悪い気がしてならない。