中間考査前から始まる会食は、いつもと同じように三日が過ぎ、四日目の日曜日には涼先生と真白さんも参加された。そして、楓先生と果歩さん、赤ちゃんの煌(こう)くん、湊先生と静さんも揃い、御園生家と同じくツカサの家族も総出の参加だった。
 ツカサはものすごく嫌そうな顔で、
「なんで父さんたちまで……」
「うちだって少し前から全員参加よ?」
「それはゲストルームで暮らしているから流れ的にそうなっただけだろ。もとはといえば、親戚間の子どもが集まるだけの会食だったわけだし」
 そう言われてみると、本来の形からは少し離れてしまっている気はする。それに、異質というなら、藤宮の集まりに御園生が混じっているほうが異質度は高い。でも、この会食に加わるようになって一年以上経った今では、今更感も強い。
 願わくば、この会食がいつまでも続くことを祈る。けれど、それもあと数年のことだろうか。
 きっと来年一年は変わりなく続くだろう。それでも、私と海斗くんが高校を卒業したそのあとはどうなるのか――。
 海斗くんは藤宮大学に進学するけれど、私は違うし、ツカサだってキャンパスが支倉へ移ってしまう。そうなったとき、会食はなくなるものなのか……。
 会食がなくなったとしても人のつながりがなくなるわけではない。そうとはわかっていても、やっぱりなんとなく寂しく思える。
「翠?」
「えっ?」
「何考えてた?」
「え……あー……」
「何」
「来年は変わりなく会食があるだろうけれど、再来年はどうなのかな、って……」
「……試験期間の会食、っていう形じゃなくなるだけだろ。期間を決めて、新たに集まればいいだけだ」
「……だといいな」