立候補者が三人いたものの、三学年合同の多数決では圧倒的に飛翔くんを指示する声が高かった。
 考えてみれば、球技大会ではツカサと並んですごい人気だったし、そのあとの写真コンテストでも飛翔くんの写真は多数寄せられた。ツカサと海斗くん、朝陽先輩には及ばないものの、校内で四位という人気を誇っているのだから、こういった場で推薦されないほうがおかしい。
 それを言うなら、三年生や一年生から海斗くんも推薦されていたけれど、海斗くんが私の名前を出した途端に却下された感じ。
 チアのリーダーは三年の沙耶先輩。そして、二年は美乃里さんが、一年生は快活そうな女の子が任命された。

「応援歌の大元になる曲を決めたいんだけど、これいけそうってのないかな?」
 風間先輩が辺りを見回すと、次々と案が挙がり、いくつか出揃ったところで多数決になった。そして曲が決まると、
「おい、そこの一年! 名前は?」
「竹林です」
「竹林の推薦した曲が通ったんだから、おまえが中心になって応援歌の歌詞考えろよ。任せたからな!」
「えっ!?」
「えっ、じゃねーよ。何もひとりで考えろなんて言ってない。有志集って考えろって言ってんの! 期間は三日。できたら持って来い。ダメだしガンガンしてやっから」
「うぉー……がんばりますっ」