「じゃ、次。推薦どうぞー」
 直後、うちのクラスはほぼ全員が手を挙げた。それにびっくりしたのは私だけではない。風間先輩も勢いに押されて身を引いたくらいだ。
「な、なんなんだよおまえら……」
 風間先輩の言葉に海斗くんが、
「うちのクラスの意見、全員一致なんで」
「……で? 誰を推薦?」
「「「「「「「御園生翠葉」」」」」」」
 大きな声と自分の名前にびっくりする。
 その後、自分に視線が集まったのは言うまでもない。
「か、海斗くんっ!? 無理だよっ」
「まぁ、そう言うなって。競技にはあまり出られないんだから、応援合戦くらいガッツリ参加しようぜ!」
「でもっ――」
 うろたえている私に三年生の声がちらほらと届き始める。
「確かに、うちの組に姫がいるんだからそれを使わない手はないよな。黒組だって藤宮を団長にするだろうし」
「姫の長ラン姿超見てぇ!」
「えー? 俺はチアの衣装のほうがいいなぁ」
「わかってないなぁ……女の子が学ランを着るからいいんじゃんっ!」
 唖然としているうちに話し合いは進み、あっという間に副団長に任命されてしまった。因みに、一年の副団長は飛翔くんである。