「私、秋斗さんを好きだった時期があるでしょう? それで、今はツカサが好き。この気持ちがいつまで続くのかが不安で、怖くて、そんな思いを少しもてあましてた」
「そんなのっ――」
「ごめんっ」
 ツカサが声を荒げる気持ちだってわかる。
 こんな気持ち、私よりもツカサのほうが痛いくらいに感じていただろう。だから……だからこそ、認めて白状して許されたかった。
 何を言われてもかまわない。事実、それだけのことをしていたのだから。
「先日、雅さんに言われたの。自分が自分を信じないで誰が自分を信じるの、って。目から鱗だった。でも、言われた言葉はストンと胸に落ちた。だから、今は自分の気持ちを信じてる」
 私は歩みを止め、ツカサの正面に立った。
「私はツカサが好き……。もう、この気持ちがいつまで続くかなんて考えない。この先もずっとツカサが好き。ほかの人を好きになるつもりはないの」
 真っ直ぐに私を見つめる目は、私の気持ちを探っているように見える。そして、口を開いたかと思えば、
「……それ、信じてるって言うんじゃなくて思い込みに見えるけど」
 やっぱり手厳しい返答が待っていた。
「今日は意地悪って言えないな……。ね、その境目ってどこにあるのかな? 私、どっちでもいいの。思い込みであっても信じているのであっても。結果が変わらないのなら問題はないかな、って」
 開き直っていると思われるだろうか。それでもいい、かな……。