久しぶりに自分の心が穏やかですっきりとしているのを感じた。でも、いきなりあんな電話をかけてしまってツカサはどう思っているだろう。
 承諾はしてくれたけれど、快諾にはほど遠い空気が漂っていた。
「……会って話そう」
「ん?」
「あ、こっちの話です」
「司のこと?」
「はい。承諾を取ったのはついさっきなんですけど、何分電話で一方的に話した感が否めなくて……」
 苦笑を浮かべると、秋斗さんがクスリと笑った。
「そういうの、ちょっと妬けるな」
「え……?」
「対等にやり取りするふたりに嫉妬する」
 きっと喜ぶところではないだろう。でも、やっぱり嬉しかった。
 嬉しいことも悲しいことも、楽しいことも楽しくないことも、色んなことをツカサと共有していきたい。
 そうだ――私が何を感じどうして立ち止まってしまったのか、どうして気持ちを切り替えることができたのか、ツカサに全部聞いてもらおう。もう、ツカサが不安にならなくていいように――。