ツカサが飲み物を淹れに席を立つと、
「翠葉と司って、ふたりでいるとき何してるの?」
「え……?」
「ほら、司も翠葉もゲームはしないだろ? デートは? 行った?」
「ゲームはしないかなぁ……。お休みの日にはちょこちょこ会ってるけれど、デートは誕生日のときに藤倉市街へ出かけたくらい」
「なんだよそれ、楽しかったの?」
「うん、楽しかったよ」
「ま、翠葉が楽しいって言うならいいけどさ。普段は? 普段は何して過ごしてんの? テレビやDVD見るとか?」
「ううん。お互い本を読んでいるか、勉強しているか……? ときどき一緒にレシピブックを見るくらいかな。お昼を一緒に過ごすときは一緒に料理したり……」
 すると、海斗くんに驚いた顔をされた。
「なんでふたりでいるときまで勉強してんだよっ。さらにはお互い違う本読んでるって、それ楽しいのっ!?」
「えっと……ものすごく楽しいわけではないけれど、落ち着く、かな?」
「もっとほかにもやることあるだろっ?」
「やること……?」
「たとえば……いちゃつくとかいちゃつくとかいちゃつくとか」
「いちゃつくって……何?」
「だからさ、たとえばキ――」
「き……?」
「ナンデモアリマセン。イマノハナシハワスレテクダサイ」