「今度プール行こうか? 泳ぎなら教えるよ?」
「あの……プールの塩素でかぶれちゃうの」
 なるほど……。
 これはもしかしたら学校のプールにもあまり入ってこなかった口だな。
「じゃぁさ、今度は川に行こうよ。藤川の上流に行けば水きれいだし、大きな岩の近くは水深結構あったりするからさ」
「……本当?」
「うん。だからさ、心臓のほうが大丈夫なら少しやってみない?」
「……たくさんは動けないけど、少しだけなら大丈夫だと思う。あくまでも息が上がらない程度なら」
「じゃ、次はみんなで川ね」
 そんな話をしながらタープのとこまで戻ってくると、御園生はいの一番にタオルで顔を拭いた。そんな御園生を笑うと、
「佐野くん、ひどい……」
 俺は珍しく御園生に睨まれた。