……それはつまり、覚悟をしろ、ということだろうか。
 言葉に詰まっていると、ドアをノックする音が聞こえた。
 ツカサが出ると、室内に食事が運ばれてくる。
 どうやら、私が寝ている間に九時近くなってしまったのだとか。
 レストランへ行って食べることは可能だけれど、未成年が出歩く時間ではないということを考慮して、ツカサが部屋に運ぶように通達してくれたのだ。

 給仕の人がいなくなると、
「藤倉へ帰ってからの予定は?」
「お盆にお母さんとお父さんの実家へ行って、その週末には桃華さんたちと海水浴へ行く予定。でも、それはまだ悩んでる。蒼兄たちも一緒なんだけどね。あとはピアノのレッスンやハープのレッスンがちょこちょこ入ってる」
「翠の家は八月がお盆なんだ?」
「うん。ツカサのおうちは違うの?」
「うちは旧盆だから七月。ただ、企業関連は八月休みのところが多いから、病院の休みは八月」
「そうなのね」
「海水浴を悩んでいる理由は?」
 それはあまり話したくなかった。