光のもとでⅡ

 翠は何を言うでもなく、上がった息と共に漏れる吐息を抑えようとしていた。
 そんな様にも欲情はする。
 鎖骨より下にはキスをしない。そう決めていたのに、俺はその境界線を越え、胸元にキスを落した。
 突如、パチリ、と翠が目を開ける。
「嫌?」
 頷けばやめるつもりだった。でも、翠は首を左右に振った。
「……すごく恥ずかしくて、ドキドキしているのだけど……ツカサは?」
 小さすぎる声に、
「確認したければどうぞ」
 俺は自分の左手首を差し出した。
 翠はそっと脈に触れ、目を見開く。
「満足?」
 尋ねると、翠は照れくさそうに笑った。
 泣き顔じゃなくて良かった。
「嫌じゃない?」
 首筋にキスをしながら訊くと、
「キスなら大丈夫……」
「でも」と続きそうな余韻に言葉を待つ。と、
「ツカサは……? ツカサはこれで満足できる……?」
 不安そうな顔が俺を見上げていた。