光のもとでⅡ

 柊と聖が飲み物の用意を始めると、御園生は落ち着きをなくし、そわそわしながら柊たちの動作を目で追っていた。
 御園生がちらちらと気にしているのは、聖が手にしている黒い缶。缶には白で「Coffee」と書かれている。
 ――あ、そうか。
「悪い、御園生がカフェインだめなんだ。なんか別のものない?」
 俺を見た御園生の眉は、見事にハの字型にひそめられていた。
「このくらい言って大丈夫だよ」
 頭を軽く小突くと、「ありがとう……」と消え入りそうな声で礼を言われた。
 そんな御園生を見て優越感を覚える俺はなんなのかな。まるで保護者気取りみたいだ。
 ちょっと、蒼樹さんの過保護っぷりが移ったかも……?
「ハーブティーもあるけど、ローズヒップとハイビスカスの酸っぱい系大丈夫?」
 聖のあとに、「ハチミツもあるよー!」と柊がハチミツの瓶を掲げた。
「コーヒー飲めなくてごめんなさい。ハーブティーなら飲めます。……と、ハチミツも嬉しいです」
 まだ緊張が抜けないのか、御園生は敬語で接する。慣れるまでの我慢かな、と思った傍らで、
「カフェインが摂れないのって体質か何かでしょ? それって仕方ないことだから謝らなくていいと思うよ。それから、敬語で話すのって御園生さんの癖?」