それ以上の追求はされないと思ったのに、
「でもさ、御園生センパイ、ここんところ毎日テラスにいません? 俺が気づいてからだともう四日かな」
 口調を敬語に改めた真島くんに顔を覗き込まれる。
「……えと、日課なの」 
 一歩下がって答えると、飛翔くんに思いきりため息をつかれた。
「真島、寄りすぎ」
「いやいや、まだそんなに迫ってないってば。ほら、人ひとり分のスペースあるし」
「いいから……」
 言いながら飛翔くんが真島くんの腕を引こうとすると、
「俺、飛翔と仲良くするよりもセンパイと仲良くしたいよ」
 真島くんは飛翔くんの手を逃れ、私の背後に立った。
「ね? セーンパイ!」
 トン、と両肩に手を置かれる。ただそれだけなのに、私の身体は強張る。
「……あんたつくづく面倒な女だな」
 飛翔くんは私の腕を引くと、自分の後ろへと追いやった。