お茶の準備が整うと、四人揃ってリビングへ移動した。
 リビングは正方形に近い形をしていて、左半分がテレビやソファなどがあるくつろぎスペース。右側には小さなグランドピアノと、スコアを収めた本棚が陣取っている。
 リビングもダイニングも、やはりカントリー調でまとめてあった。
 その中に立つ柊ちゃんにはとてもしっくりくるのに、百八十センチを超える聖くんが立つと、小人の家に人間が入り込んでしまったように見えなくもない。
 そんなことを考えていると、
「御園生、翠葉――御園生さん、翠葉さん、翠葉ちゃん……」
 聖くんが念仏のように私の名前を呟き始めた。
「何ブツブツ言ってんだよ」
 佐野くんが軽く蹴りを入れると、
「いや、苗字も名前もきれいな響きだよなぁ、と思って。御園生さんって呼んでみたけど、翠葉さんも捨てがたくてさ」
 真面目な顔をしてそんなことを言われたから、私は思わず笑ってしまった。