「そりゃ、テラスにかわいい子がいたら声かけるでしょ! 飛翔もクラスにかわいい子いたら教えろって言っておいたのにつれねぇなぁ」
 この期に及んで二年生とは言えなくなっていた。そして、飛翔くんの視線が痛い……。
「真島、何勘違いしてるのか知らないけど、この人二年」
「はっ!? まさかっ」
 まさか、とはどういう意味だろう……。
 恐る恐る真島くんを見上げると、
「見えない」
 真顔で一言見舞われた。
「で、あんたは? こんなとこで何してるわけ?」
「……人間ウォッチング?」
「は?」
「……えぇと、本当にただ道行く人を見ていただけなので、何をしていたというわけでは……」
「ふーん……」