改めて笹を見上げる。涼さんと比べると、五十センチちょっと高い気がするつまり二メートルを越える高さがあるということ。
「飾りは作ってあるのですか? よろしければ飾りつけまでお手伝いしますが」
 申し出てくれた涼さんに対し、私は苦笑を返す。
「それが、短冊作りに夢中になってしまって、飾りのほうはほとんど手をつけてないんです」
「では、私も手伝いましょう」
「えっ? 涼さんが折り紙……ですか?」
「……意外、ですか? 施設では小さい子の面倒を見ていたので、七夕の飾りくらいなら作れますよ」
 ありがたい申し出だったけれど、私は遠慮することにした。
「実は、強力な助っ人が四時過ぎくらいに来てくれるのです」
「助っ人、ですか?」
「はい。果歩ちゃんと翠葉ちゃんにお手伝いをお願いしました。ですので、三人で作っても間に合いそうになかったら、そのときこそお願いしますね」
「かしこまりました。では、私は書斎にいます」