「高校生のうちは、とか思っていたりする?」
「……うん。性行為が怖いと思うのとは別に、そういうのもある。もし子どもができたら中絶するのは嫌。でも、私はまだ高校生だし高校生でいたいから、そういう意味でも悩んでる……」
 ツカサは何も言わず、私の頭を抱えるように抱きしめてくれた。
「翠の気持ちをどこまで汲めるか、どこまで待てるかはわからない。けど……翠が何をどう思っているかは理解できたと思う。……自分が取った行動の責任は取るつもり。でも、行為に対して翠に起こる変化すべてを負えるわけじゃないから――その部分は翠の判断に任せる」
「ごめん……」
「いや、前回よりは明確に提示してもらえたと思ってる」
「……ツカサのこと、好きだからね。大好きだからね? ツカサが怖いとか、嫌だとか、そういうのはないからね?」
 身体を離してツカサを見て言うと、ツカサは少し顔を赤らめた。そして、
「ケーキ、冷えたのを持ってくる」
「え、でも――」
「こんなことでもなければケーキなんて作らない。だから、美味しい状態のものを食べて」