お茶を淹れて戻ると、いつものツカサに戻っていた。顔を赤らめた形跡もない。
 勉強を見るにあたり、容赦ないのもいつもと変わらず。
 無言空間に答えを記入していくシャーペンのコツコツという音だけが響く。そんな空間がとても心地よかった。
 十時になると、
「終わり。今日はここまで」
「え? いつもなら十一時くらいまでやるでしょう?」
「今回は余裕持って勉強してるから、そこまで目一杯やる必要はないだろ」
「……そっか」
 ツカサは私の答案用紙を手にすると、すぐに採点を始めた。
 お茶を淹れて戻ると採点はすでに終わっていて、私はツカサの隣に腰を下ろす。
「間違えたところは明日までにさらっておいて」
「はい」
 ふたりの間は幅三十センチくらい。ツカサの左手までは十五センチほど。