私がお茶の用意をしている間、ツカサはラッピングを解いてフロランタンをプレートに並べる。
 ラッピングの解き方からプレートへ並べる様まで、どれを取って見ても「神経質です」と主張しているように思えた。
 私たちはキッチンから見えるリビングへ場所を移したものの、「落ち着かない」という理由でテスト勉強に使っている部屋へ移動しなおした。
 けれども、慣れ親しんだ部屋であっても落ち着くことはない。
 ツカサから電話がかかってきた瞬間から、私はずっと緊張したままなのだ。
 なるべくいつもどおりに、とベッドを背に体育座りをした。目の前を横切ったツカサはデスクチェアに座るのだろう。
 そう思っていたのに、ツカサは私の右隣に腰を下ろした。
 いつもとは違う行動パターンに、私は思わず身を引く。
「……どうしたの!?」
「……別に」
「別に」なんて簡単な言葉で済ませないでほしい。ここ最近は、こんな近くに座ってくれることなどなかったのだから。
「……本当に、どうしたの?」
 ラグを見つめ、若干俯きがちのツカサの顔を覗き込む。と、視線を合わせてきた切れ長の目にトクリ、と心臓が音を立てた。