「えと……そういう話はしてないよね、で……終わり?」
 みんなは頭を抱えてしまう。
「あの……頭抱えられちゃうくらいにおかしいことかな?」
「いや……おかしいことじゃないんだけど――。司あああっっっ」
 海斗くんが雄叫びを発する。
「なんつーか……御園生さんはそれでいーの?」
 サザナミくんに新たなる問いかけをされて首を傾げる。
「それでいいというか……私はツカサといられたらそれでいい、かな」
 みんなは顔を見合わせ、何かを諦めたような表情で乾いた笑みを浮かべた。
「もー放っとこうぜ……。このふたり、自覚してないだけで付き合ってるようなもんじゃん」
 サザナミくんの言葉にみんなが頷く。
 付き合ってるとか付き合ってないとか、よくわからない。
 たぶん、私はツカサの側にいられたらそれでいいのだ。
 このときはそう思っていた――。