「……ツカサ、中等部ではどんなだったのかな」
「気分にムラがある人じゃなかった。もっと――」
 もっと……何?
 勇気を出して飛翔くんの目を見る。と、さっきよりも冷たい目で見下ろされていた。
「司先輩が変わったのがあんたのせいなら、あんた、悪影響を及ぼすだけの人間なんじゃない?」
 飛翔くんは私の前を横切り、桜林館の出入り口へと走っていった。
「私、悪影響、なのかな……」
 確かに、ツカサの機嫌が悪いと生徒会メンバーは迷惑を被る。そこだけを考えれば、「悪影響」なのかもしれない。そう思うと、なんだかとっても悲しかった。