そっとツカサに視線を向けると、ツカサは目を瞑ってくれていた。私は胸を撫で下ろしてツカサの姿を堪能する。
 やっぱり和服がとてもよく似合う。私が見たことのある姿は弓道の道着姿だけだったこともあり、爽やかな印象を受ける青い長着や羽織は新鮮に見えた。姿勢がいいのもいつものこと。でも、和服だとより強調されてびしっとして見える。
 そんな中、少し俯きがちの顔には前髪がかかる。漆黒の髪の毛に漆黒の睫。
 睫、長い……。
 肌は相変わらず陶器のように白く滑らかだ。ツカサの肌ににきびができているのを見たことがない。何をどのくらい気をつけたらこのコンディションを維持できるのか――。
 気づけば、私は和服姿のツカサではなく、顔のパーツに釘付けになっていた。今まで、こんなに近くでまじまじと見る機会はなかったのだ。
 球技大会では試合に出ているツカサを堪能することはできる。けれども、球技大会ではコート外からコート内のツカサを見るのであり、顔の細かなパーツを見つめられるほど近くにはいない。さらには、注視できるほど一所に留まっていてはくれない。ゆえに、普段のツカサとは違う一面――走ったり飛んだりする姿を楽しむことになる。