「ほらほら、司っちはリィの手ぇ取ってエスコートするんじゃないのぉ?」
「……とは申しましても、いたらない息子にエスコートが務まるものか……。ここは私たちが席を外す、というのが妥当でしょうね」
 涼先生の言葉に唯兄と蒼兄は藤棚を出て、人が集まる庭園へと向かって歩きだした。