「このお着物……私も会長からいただいたの」
「……そうなんですか?」
「えぇ」
雅さんは私の振袖を見ながら、
「私が二十歳のときに着た振袖は、赤地に四季折々の花や宝尽くしが描かれていたわ。今見るとちょっと毒々しい感じがするわね。当時はなんの違和感もなく着ていたというのに」
雅さんが話すそれは、私が想像した着物に近いような気がする。
「こんな優しい色をまとえるようになったのは、ひとえにあなたののおかげ」
それはどういう意味だろう。
「私、あなたに出逢わなかったら今も変わらず暗闇の中にひとりだった。あなたに出逢ってコンプレックスを強く感じたけれど、それと向き合うことが唯一の解決策だったみたい。――散々ひどいことを言ってごめんなさい」
雅さんは頭を下げて謝った。
「っ……いえっ、あのっ――」
急に謝られても困ってしまう。私の中に雅さんに対する憤りはないのだから。
「……そうなんですか?」
「えぇ」
雅さんは私の振袖を見ながら、
「私が二十歳のときに着た振袖は、赤地に四季折々の花や宝尽くしが描かれていたわ。今見るとちょっと毒々しい感じがするわね。当時はなんの違和感もなく着ていたというのに」
雅さんが話すそれは、私が想像した着物に近いような気がする。
「こんな優しい色をまとえるようになったのは、ひとえにあなたののおかげ」
それはどういう意味だろう。
「私、あなたに出逢わなかったら今も変わらず暗闇の中にひとりだった。あなたに出逢ってコンプレックスを強く感じたけれど、それと向き合うことが唯一の解決策だったみたい。――散々ひどいことを言ってごめんなさい」
雅さんは頭を下げて謝った。
「っ……いえっ、あのっ――」
急に謝られても困ってしまう。私の中に雅さんに対する憤りはないのだから。


