「うぉぉぉぉ……唯兄さん、超絶緊張してるんだけどっ」
「ふふ、お料理作っているときはリラックスできてたのにね?」
「ねー? 困ったもんだよ」
 持っていかねば持っていかねば……。
 うんうん己の緊張と闘っているところへ、
「あらすごいっ! これ全部唯芹くんが作ったのっ!?」
「はぁ……」
「この短時間でっ!?」
「あの……そんな大したものじゃないんです。基本は切って和えるだけなので……」
「まぁっ! それだけでこんなおつまみができるのねっ!? 見てれば良かったな、失敗しちゃった」
 佳苗さんは少し悔しそうに笑った。
 俺の心境的には、こんな料理でよければいつでも教えます、だ。代わりに、大樹さん攻略方法を教えてください、と思う。