身長はでかいし、おじいさんなのにマッチョだし、顔はイケメン風味だがいかつい。
 身長がでかい人間というなら相馬先生と昇先生を思いだすが、どうやっても同種ではない。ザックリ分けるとインテリ系ワイルドと、職人系マッチョ。そんな感じ。
「ま、そうね……お酒を注がれたら席立ちにくくなるものね。お義母さーん、唯が台所借りたいって言ってるんですけど、今大丈夫ですか?」
 奥から顔を出した佳苗さんが、
「お茶でもどうかしら、って思ったのだけど……」
 佳苗さんは俺の顔を見て何か悟ったらしく、
「いらっしゃい」
 と手招きしてくれた。それに付いてきてくれたのはリィ。
「唯兄、触ってみてもいい?」
「はい?」
「今、唯兄に触ったらカチコチしていそう」
 きょとんとした目で見られ、リィはつつく気満々で人差し指を用意していた。