その夜、碧さんたち夫婦に一室。俺とあんちゃんに一室。リィに一室が用意されていたものの、リィが一緒に寝たいとわがままを言いだし、俺と一緒のベッドで寝ることになった。
 お風呂から上がった直後は枕投げなんて初歩的なイベントを楽しみ、リィの息が切れてきたところでトークタイムにシフト。
「唯、すっごい緊張してたな?」
「あんちゃん……自分が俺の立場だったらって少しは考えてもみてよ」
「まぁ、そうだよな」
 そんな会話をリィはクスクスと笑いながら聞いている。
「明日は別の意味で緊張強いられるかもよ?」
「なんですって、翠葉さんっ!?」
「御園生のおじいちゃんは職人気質な人なの」
「えぇと……職人気質って言われると、鬼瓦みたいな顔しか想像できないんだけど……」
 そんなコメントに、リィはさらに声を立てて笑った。