俺、超場違い感満載なんですけど……。
「翠葉、いらっしゃい! もう身体は大丈夫なの? お見舞いに行けなくてごめんなさいね」
 シンプルなワンピースにロングネックレスをした品のいい女性は、リィを優しく抱きしめた。
「身体はもう大丈夫。それに、おばあちゃんたちが来たいって言ってくれたとき、勉強が忙しいから遠慮して、ってお願いしたのは私だもの」
「試験は大丈夫だった?」
「はい、晴れて二年生になりました」
「じゃぁ、あとでお祝いしなくちゃね。今日は泊まっていくのでしょう?」
「はい」
 おじいさんと思われる人は零樹さんと立ち話をしていた。そこに、
「奥様、旦那様、お茶の準備が整いました。応接室へ移動されてはいかがでしょう」
 やっぱりいたっ! ザ、お手伝いさんっ。
 ぐおおおおお、俺、蕁麻疹が出そうだーーー。
 そんな俺の心境を知る由もないリィに手を引かれて応接室へ移動する。