俺は今緊張している。最高潮に緊張している。ここ数年でこんなに緊張を強いられたのは――オルゴールを開けるとき以来、かな。
 なんだ、意外と期間は開いていなかった。いや、違う。そんな簡単な話じゃなくて――。
 リィたちの祖父母に会う時間が刻々と迫ってくる。迫り来るものに内臓すべてが潰されそうな何か。
 御園生に養子に入ってから、いつかは来るだろうと思っていたその日を前に、
「あの、自分留守番してるんで、碧さんと零樹さんのご実家には四人だけで行ってきてください」
 超絶本音を申し上げると、
「何言ってるのよ。唯を紹介しに行くんだから、唯がいなかったら話にならないでしょう?」
 バシバシ、と碧さんに背中を叩かれた。
 そうは言われても、気が引けるなんてもんじゃないわけで……。