光のもとでⅡ

「先週の土曜日くらいから眠気とふらつきが取れたの」
「痛みは?」
「今はほとんどなくて、すごく楽。……ツカサ、春休みにどこかへ行った?」
 いつもとは違う会話を振ってみる。けれど、
「とくには……。読みたい本が溜まってたからそれを読んで、あとは部活」
 いつもと変わりない答えが返ってきた。
「そっか……」
「なんで?」
「ううん、深い意味はないの」
 あっさりと話は終わり、先に続く言葉は見つからない。
 声を聞くためには会話をしなくちゃいけないわけだけど、これといって話すことがない。
 今まで一緒にいたとき、何を話していたかな……。
 思い出そうとしても思い出せない。きっと、そんなに重要な話はしていないのだろう。
 お昼休みにツカサがお弁当を食べにくるといっても、とくに何を話すわけでもなかった。ただ、目の前にツカサが座ってお弁当を食べていただけ。それだけで私は満足だった。