その言葉に驚いてツカサの顔を見上げると、
「……そんなに見るな」
 ツカサはわかりやすく歩調を速めた。
 つかつかと歩くツカサに手を引かれ、私は引き止めるようにツカサの手を引っ張った。
「エスコート、してくれるのっ!?」
「させてくれるなら」
 じっ、とツカサに見下ろされ、去年の、パレスでの一件を思い出す。
「あのときとは状況が違うもの……。エスコート、してもらえるなら……お願いしたい」
「了解。……あとでその日に着る振袖見せて」
「うん!」
 そのあとはとくに会話をするでもなく、ツカサは私の歩調に合わせて歩いてくれた。