夕飯のとき、明日お昼にツカサが来ることを話すと、
「じゃ、明日のお昼は賑やかね」
 お母さんの言葉に首を捻る。
「うーん……ツカサがひとり加わったところで賑やかかと言われるとちょっと謎。海斗くんなら賑やかになりそうだけど」
「でも、人がひとり増えるだけでなんとなく賑やかな気がしない? 食卓に普段ない顔が並ぶのは新鮮だわ」
 それには頷く。
「しゃーない。じゃ、明日の昼は麺処唯芹亭を開きますか」
「じゃ、私はサラダだけでも作ろうかしら?」
 唯兄とお母さんの会話を聞き、自分も何か作りたくなる。でも、明日は朝から家を空けるので作れるのは夕食後のみ。
「お菓子、作ろうかな?」
「フロランタン?」
 蒼兄に訊かれて頷く。