曲が終わり会場が拍手に包まれる。
 ワルツだけは七組二十一ペアが同じ曲で一斉に踊るため、拍手もそれ相応の大きさ。
 四方へ向かって礼を済ませフロアを退場する。と、壁際に着いた途端に六人が顔を突き合わせ、
「「「「「「ノーミスっ!?」」」」」」
 次の瞬間には六人全員が大きく頷いた。そして、誰からともなく手を上げハイタッチを交わす。
 次には上の観覧席から「お疲れ様!」などたくさんの声をかけられ、それらに笑顔でそれに応えていると、放送委員に動きがあった。
『審査結果が出ましたので発表いたします! 輝かしい一位は赤組の三ペア! 審査員全員一致の結果でした』
 その言葉に再度喜びの声を挙げ、ワルツメンバーと喜びを分かち合う。
 きゃいきゃいと騒ぎながらメンバーが観覧席へ戻ろうとする流れの中、私はひとりフロアに留まった。
「御園生?」
「あ、私、本部に行く」
「……足、痛む?」
「ちょっとね……。でも大丈夫。ただ、観覧席へ上がってすぐまた下りるのはつらいから」
「わかった。着替えは?」
「あー……ジャージに着替えても、どうせすぐに後夜祭の準備で着替えるからこのままでいいや」
「了解。……因みに、海斗とか簾条に問い詰められたらどうしたらいい?」
 先を歩くふたりを見る分には、まだ興奮冷めやらぬ状態のようだけど……。
「海斗くんと桃華さんなら話してもいいよ。でも、あまり大ごとにはしたくないから、人のいないところで話してね」
「わかった」