裕也と彩は再開を果たしたものの、会話をするのは通学中の道中と時々ある夜の部屋の窓辺だけだった。彩は裕也と偶然にも同じ学校への編入が決まり、長距離の自転車通学は後ろに彩の重みがプラスし、裕也にはまさにきついトレーニングとなった。
だが、裕也はやはり彩を一人の女性として見ずにはいられなかった。通学中の自転車で背中に当たる胸の膨らみや、夜の窓辺で風呂上がりの濡れた髪に胸の高鳴りを覚えた。彩ちゃんて彼氏いるのかな…。東京で彼氏いたりしたのかな…。少しずつ、彩を意識している裕也がいた。