そんな新くんとの日々に健太の思い出も、やっと過去として処理出来るようになってきていた

「映画見て、買い物して、夜ドライブするっていうのはどう?」

「うん!」

「よし、決まり」

久しぶりのお出掛けということで心が弾み、私は急いで準備を始めた

「出るぞ」

「あ、うん。ちょっと待って」

「早く」

「うん」

携帯は入れたし…

「はい、おまたせ」

私は玄関のカギを閉め、先に歩く新くんを追い掛ける

私の足音に気付き、そっと手を差し出す

そして差し出された新くんの手をギュッと握る

当たり前のように手を繋ぎ、当たり前のように隣にいる

それが永遠なのかわからないけど、私はこの手をいつまでも繋いでいたい

歩きながらそう考えていた