「行くぞ」

健太の一言で話は断ち切られてしまい・・・

「なんで言わないのよ!じゃあ、自分から言いなさいよ!」

「言ったからって何が変わるんだ?俺がお前から離れられないのはこれからも変わらないままだろ」

佐原樹里は黙り込む。そして私を見て怪しく笑う

「そうね。知った所で健太があんたに戻ることなんて一生ないんだから」

私を見てフン、と鼻で笑う

きっと健太にはもうどうにも出来ないことなんだね・・・これからもこの先も健太は佐原樹里と一緒なんだね・・・

健太は佐原樹里の手首を掴み私の前から立ち去ろうとした

「健太」

私は健太を呼び止め、健太は後ろを振り返ってくれた。その姿が嬉しくて・・・つい涙声になりそうになる

「元気で・・・ね」

私は笑って健太にそう言った。偶然なんてもう簡単にないだろう・・・佐原樹里にばれてしまった以上、健太は一人になることが難しくなるはず。だからきっと次はない

「・・・仕事頑張れよ」

「うん」

何度見てもやっぱり二人はお似合いのカップルだと思ってしまう。きっと誰もが羨むカップルだろう

二人の間に何があったのか、またわからないままになったけど、佐原樹里の言う通り別れることはない

どんなに私と健太の気持ちが一つになっても健太の横にいるのは私ではなく、佐原樹里

私は二人の後姿を黙って見つめていた

この切なさをいつか思い出に変えてみせる

変えなきゃいけない

それは自分のためでもあるし、新くんのためでもある

前だけを見て歩けばいいんだ

私は輝く星の下でそう誓ったんだ