やさしい手のひら・後編

「せんせい、いこうよ」

「あ、うん。そうだね」

優くんに言われてハッとなり、みんなが待っていることを思い出した

私は健太に頭を下げ優くんと手を繋いだ

「亜美・・・今日会えないか?」

私の後ろでそう健太が言った

私は立ち止まり、一瞬耳を疑った

会ってどうなるんだろう・・・会ったからって私達に何かが起こることなんてもう二度とない

今、私は新くんといて幸せだから・・・

だから私は、

「行けません」

はっきり断った

もう揺れちゃいけない

新くんと一つになった時、そう決めたから・・・

「この公園で待ってる。亜美が来るまでずっと待ってるから」

「私は行かない。だから待たないで」

きつい言葉かもしれないけど、こう言わなくちゃ健太は絶対待ってる

「それでも待ってる」

私の心臓がギュッと痛くなる

また喉が痛くなり、切なさが込み上げてくる

でもここで弱い自分を見せたくない

絶対に泣けない

「あみせんせい・・・」

優くんが不安そうに私を見上げる

「ごめんね。今行くからね」

私は一度も振り向かず健太から離れた

今、健太がどんなことを思って私の後姿を見ているのか・・・

それを考えるとやっばり私は耐えられず涙を流していた

優くんにこんな姿を見られたくなくて、気付かれないように急いで涙を拭っていた