やさしい手のひら・後編

シャワーで洗い流した膝からまだ血が流れている

「血…止まらないな」

ホテルのタオルを取り私の膝に当ててくれた

「痛いか?」

優しく私に問い掛ける声が私の心臓を痛み付ける

「あ、ありがと。もう大丈夫だから」

「亜美の大丈夫は大丈夫じゃないだろ」

懐かしい響き

いつもこうやって言っていた

そんなことをふと思い出していた

「本当に大丈夫」

そう言って立ち上がったが膝を立てると痛みがさらに増して、また浴槽の縁に戻ってしまった

でも…

もう無理

健太といると私の心臓が耐えられない

私はもう一度立ち上がった

「痛くて立つのもやっとなんだろ?」

「あっ…」

また健太に抱えられてしまった

私、何やってるんだろ…

健太は私を抱えて部屋に入り、私をベットに座らせ

「その足じゃ歩けないよな」

「健太が…追い掛けて来るから…」

「亜美を見つけた瞬間、亜美を呼んでいた…」

「…」

私はどう答えていいのか黙ってしまった