やさしい手のひら・後編

ライトアップされた噴水はいろいろな形になって水を噴き出す

それがきれいで見惚れてしまう

私は後ろから誰かが近付いて来ていることも気付かずにいた

「亜美」

突然呼ばれた自分の名前に驚き、肩がビクッとしてしまった

私は声の聞こえた方へゆっくりと振り向いた

「・・・」

私は驚きのあまり声が出なかった

どうして会ってしまうの?

さっきまで会場にいたはずなのに…

私の後ろにいたのは健太だった

逃げなきゃ

一番最初に浮かんだ言葉はこの言葉だった

私はすぐに立ち上がり、健太を見ずに走りだした

慣れない高いヒールが走るのを邪魔する

私は早く走りたくて、とにかく無我夢中で走った

ドサッ

「痛っ」

ヒールのかかとが地面のブロックとブロックの間に挟まってしまい、私は転倒していた

両膝が痺れて痛い

膝を見ると血が滲み出し、血が流れだしていた

健太が来る

痛みを我慢し、私は立ち上がったが膝の痛さに足がうまく動かない

「待てよ」